予報では降水確率70%の京都でしたが、午後からは爽やかな初夏の風が吹くお天気になりました。
開始前よりぞくぞくと参加者にお集まりいただき、最終的には総勢43名となりました。
2階リハビリ室は満員で、用意していた椅子が足りなくなり立ち見も出る状態になりました。

 

まずは『漢方ができるまで』を話しました。

中国、ラオスなどの農場からの輸入と日本国内の生産地からの生薬が、厳密な基準をクリアし、私達の手元に安全にかつ安定的に供給されるまでのお話しました。
現在、漢方薬は西洋薬に比し比較的安い薬価で保険薬として使用できますが、原材料は貴重な植物、鉱物、動物からの自然資源です。
「大量生産が不可能な薬剤だからこそ、大事に服用して欲しい」というメッセージを込めた内容でした。

 

メインテーマ前半『京の夏の過ごしかた ~熱中症、夏ばて、クーラー病~』は院長

・西洋医学と東洋医学の診断治療のアプローチの違い
・東洋医学の基本概念の概略
をまずお話ししました。

すでに参加者の方々は熱心にメモをとったり、スライドを写真に撮ったりと真剣な様子。
熱中症、夏ばて、クーラー病については病気の説明から始まり、対処方法では食事、運動、生活についての具体的な説明がありました。
最後にそれぞれの病気で起こるタイプについて、漢方薬の治療と未病で防ぐ予防的治療についてのお話。
食い入るように自分がどのタイプにあてはまるか考えながら、集中して話にのめり込む姿も。
すでに通院されている患者さんは、自分の漢方が紹介されると、「これ、自分のもらってる漢方!」と紹介したくなる思いにかられたそうです。

熱中症の説明途中、スタッフがタイムリーに参加の方々全員に試飲の煎じ薬をお配りしました。
今回の漢方お試しは、熱中症の特効薬である清暑益気湯の構成成分である生脈散。
前日よりスタッフが煎じ器でことこと煎じた生脈散を、ほどよく冷やしてサーブ。
構成生薬は水分調節と補気作用のある麦門冬、五味子、人参。
口当たりはすっとした酸味に少し甘みも加わって、暑気あたりにいただくと、きっと読んで字の如く「生き返る~(生脈)!」という印象のお味。
参加者からも口々に「漢方じゃないみたい!」「これクリニックでいただけるんですか?」の声が。
すみません、残念ながら生脈散はエキス剤にはありません。
清暑益気湯をイメージして、京都新京極 阪本漢方堂さんで特別に調合頂きました。

●院長の話を熱心に聞き入っておられる参加者の皆さん
写真 1

 

後半は『漢方Q&Aコーナー』

・漢方はゆっくりしか効かないのか?
・ドラッグストアと処方薬の漢方の違いは何か?
・漢方はずっと服用する必要があるのか?
・上手な服用のしかたはあるのか?
などについて、意外な回答に「へ~!」「ほ~なるほど・・・」という声があちこちから聞こえてきました。

セミナー終了後、個人的な質問や感想、受診希望の方も複数いらっしゃり、第1回セミナーは大盛況のうちに終えました。

当クリニックのコンセプトでありセミナーの趣旨でもある、『健康で快適に暮らす』ためのメッセージが参加者の方々に届いた実感があり、
スタッフ一同とても手応えを感じたセミナーでした。
これからも皆様の健康をサポートできる情報を、どんどん発信していきたいと思います。
次回のセミナーも是非ご期待下さい。