秋晴れの午後、13人の参加者と「血液とその循環」について勉強しました。

怪我をすると流れる赤い血、血液検査をするとき注射針をさす場所、AEDの役目・・。
日常的に私たちは血液やその流れ、働きについてなじみがあるはずなのに、「どうして血は赤いの?」と尋ねると、答えにつまってしまうのが常です。

前半は血液のながれの話をしました。血液循環はポンプ機能とペースメーカー機能を有する心臓、動脈と静脈、それらをつなぐ毛細血管からなりなっています。
心臓を養うための冠動脈のこと、動脈と静脈の構造の違いや太さの違い、老化によっておこる動脈硬化のこと、かなりくわしく解剖や機能のことを掘り下げました。
そして一度は耳にしたことがあるだろう血管が原因でおこるいくつかの病気(くも膜下出血、解離性大動脈りゅう、エコノミークラス症候群、下肢静脈瘤など)について、説明しました。

漢方ブレイクタイムには、だるさや動悸、むくみなどの貧血様症状につかわれる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の煎じをいただきました。
構成生薬の当帰のホロ甘さが、なんともほっこりやさしい味でした。

後半は血管系をながれる血液そのものの話です。
赤血球、白血球、血小板の3系統。それらはどこで作られ、どんな役目を果たすのか、また血液検査からわかることは何か。
どうして血は赤いのか?ようやく答えがでてきそうな感じです。

最後に貧血、とりわけ鉄不足によっておこる鉄欠乏性貧血について勉強しました。
すこし踏みこんで、かくれ貧血の話もしました。
日本人の鉄充足率がかなり低いなかで、推奨される十分量をとるにはどうしたらよいかについては、提示スライドに対して質問がでて、参加者どうしが意見をだしあって考えてくださっていました。

今回のセミナーで印象的だったのは、参加者が体を健康を病気を検査結果を治療を、自分事としてとらえ考えてくださっていることです。
セミナーは38回にもなりましたが、セミナーの主旨はまさにそこにあります!
医療者に委ねるだけでなく、ネットや情報に振り回されるのでなく、自分のくらしや健康に正しく自分なりの物差しで関心をむける。
その力が参加者のみなさんに確実についていることを、とても頼もしく感じたセミナーでした。

これからも共に勉強していきましょう!