今年は今のところ話題にのぼらないデング熱ですが、9月5日に当院を受診し、デング熱の診断がついた患者さんがでましたので、お知らせします。

患者さんは2日前まで東南アジア海外旅行歴のある京都市内の大学生。
帰国翌日の9/4より高熱と嘔気が出現しました。

他病院を受診し採血上も問題なしとのことで解熱剤と制吐剤で帰宅指示となりました。
翌9/5未明に40℃の高熱とのことで当院受診となりました。
両下肢に無数の蚊刺痕あり、高熱と頻脈、関節痛、軽度の嘔気を認めました。

海外渡航中のデング熱感染を疑い、保健所に連絡の上指定医療機関の受診を指示し、当日の迅速検査でデング熱の診断がついたと報告がありました。
症状は発熱、関節痛、軽い消化器症状などの非特異的な症状のみ。
デング熱頻発地域渡航歴など問診が有力所見につながりました。

ショック症状もなく比較的病状は安定していたため、入院はせずに親御さんと一旦帰省されたとのことです。

 

問題は二次感染です。

デング熱はヒトからヒトには感染しませんが、蚊を媒介として感染が拡大します。
患者さんの血液を吸った蚊がいれば、他の人を刺すときに感染する可能性があります。
潜伏期が2~14日間であるため、しばらくは周囲で蚊に刺されないよう注意する必要があります。

当院では受診する患者さんだけでなく、スタッフ、近隣の皆さんに注意喚起をし、しばらく駆虫薬を散布し感染予防をしています。

蚊は気温26度から31度くらいで最も盛んに吸血活動を行います。
京都のここ1週間の平均気温は26.2度、最高気温は27.4度。
まだまだ蚊の活動時期です。

備えあれば憂いなし!
蚊対策を十分に、快適な秋を十二分にエンジョイして下さい。