テーマ:素敵にやせよう! ~肥満と脂質異常症~

セミナー前日は台風11号による大雨で、クリニック周辺に避難勧告が発令、鴨川が氾濫危険水位に達するなど大荒れの天気。 参加者の方々の安否を心配していましたが、当日は台風一過、久しぶりの夏空と暑さが戻ってきました。

参加者は33人。
前回セミナーでテーマを予告していたからか、是非ともこのテーマを聴きたい!という意気込みを感じる参加者がぞくぞくと集合。

前半は恒例にしたがい、漢方の話。
今回のテーマは「漢方の歴史」について。

先人たちの貴重な経験の蓄積と、海を渡って日本の風土と日本人の体質にあわせて進化していった漢方薬。
民間薬として普及した馴染みの生薬について、フロアからも質問がでました。
悠久の歴史の中で洗練されてきた漢方と、庭先にあるアロエや十薬などの民間生薬、いずれも貴重で大事な漢方という話をしました。

後半はメインテーマの肥満と脂質異常症について。

まずダイエット成功には、憎き敵である「脂肪」を知ることが重要ということで、脂肪や脂質をじっくり勉強しました。
脂肪は本来便利なエネルギー貯蔵源であり、現在も一部の脂質はカラダの構成成分であったり、ホルモンや消化液の骨格となる成分です。
脂肪過剰状態になったのは、摂取エネルギーと消費エネルギーのアンバランスから。

この単純明快な理屈と、皮下脂肪と内臓脂肪の分布、生活習慣病や危険因子の話と、内容は肥満の話から徐々に生命に関わる重大な話になっていきました。

●脂肪の必要性を説明する院長
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最初、美容的な肥満やダイエットの話で盛り上がっていた女性参加者、他人事のように聴いていた男性参加者。
徐々に緊張した面持ちになり、動脈硬化とプラーク進展の話や、脳梗塞や心筋梗塞になった患者さんの経験例をあげると、その表情はさらに真剣度を増していきました。

最後は肥満や脂質異常症に即した漢方薬の紹介。

今回も阪本漢方堂さんにご協力いただき、柴胡剤では最も実証の大柴胡湯去大黄の煎じ薬を試飲しました。
お味は苦みメインにわずかな甘みと酸味が加わった深みを感じる印象、口当たりは爽やか。
漢方の紹介では、参加者それぞれが真剣に自分の証を考えておられるため、必死でメモをとる様子があちこちに。

セミナー終了後、「私は絶対虚実中間です!」と仰るにわか漢方マニアが誕生して、主催者側としては冥利につきました。

セミナーの趣旨は「自分の体を知る」こと。
自分の弱点や長所を知ることで、未病で防ぐことができると考えています。
自分の体のメンテナンスや修理(治療)こそ、予防医学そのものではないか?と思うのです。

第3回セミナーは8月はお休みさせていただき、9月12日(土)を予定しています。
テーマは「こころの漢方 ~疲れた心をチャージしよう~」です。
ストレスフルな現代社会の中で、大人も子どもも、男性も女性も、老いも若きも、多かれ少なかれ疲れを感じ日々過ごしています。

ストレス耐性になれるしなやかな心とカラダ作りの話をする予定です。
たくさんの方々の参加をお待ちしております。

※セミナーで「地竜(ミミズ)」の効能説明を誤っておりました。
 詳細につきましては『「地竜(ミミズ)」の効能について』をご覧下さい。