京都の秋もいよいよ深まり、街路も山並みも紅葉燃える季節となりました。
一方で朝晩の寒暖差が激しく、天候不順も重なって、体調不良でクリニックを受診される患者さんも増えています。

当クリニックではそれに先がけ、10月15日よりインフルエンザワクチンの予防接種を開始しました。

今回は、いよいよやってきた風邪のシーズンに向け、風邪知らずで過ごすための話をしました。
準備や案内不足が重なり、参加者は14人と少なめでしたが、車座サロン風に和気あいあいとお話しすることができ、楽しいひとときを過ごしました。

内容に関しては、先日京都信用金庫さんで講演させていただいた「風邪の話」と重複しています。
(詳細は10月29日京都信用金庫 健康セミナー「風邪のはなし」の講演をご参考ください)

インフルエンザをはじめとするウイルス疾患である風邪には、抗生物質は効果がありません。
風邪は感染力が強く、局所症状だけでなく全身症状ももたらします。
治った後も体調不良が続くこともあり、たかが風邪、されど風邪、こじらせると重篤な状態にいたります。
感染を予防するためには、接触をさけ、手洗い、うがいを励行する基本予防策が重要です。
それと同時に、日頃から感染しにくい強い体作りが大切であることを、くりかえし強調しました。

まず風邪ウイルスは低温と乾燥を好みます。
ウイルス侵入経路の最前線である喉を保温し、乾燥しないようにマスクや加湿器で粘膜を保護するようにしましょう。
そして適度な運動を続けることで、体力アップと免疫力の強化を図りましょう。
十分な栄養も大事です。喉の粘膜を強くする効果があるビタミンA、C、B1、タンパク質をしっかり摂取しましょう。

因みにビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれるカロテンがあります。
カロテンは免疫力を高めて病気の治癒を早める働きも併せ持っています。

レチノールを含む食品
 レバー・うなぎ・タマゴ・牛乳

カロテンを含む食品
 小松菜・ニンジン・春菊・かぼちゃ、菜の花などの緑黄色野菜

参考になさってください。

そしてできるだけ体を温める食品、たとえばショウガや根野菜、発酵物を摂るようにしましょう。
そのほか、免疫力は体温が1度下がると30%低下するという報告があります。

最近若い人を中心に、平熱が35度台の方が多い様に思います。
体を温め、内から風邪に対抗できる体作りをしていきましょう。

皆様が今日のセミナーを参考にしてくださり、京都の寒い冬を快適に過ごしていただけることをお祈りしています。

漢方ももちろん!サポート効果が期待できます。
体調を崩しかけたな?と思えば、早めの受診をお願いします。

※12月の暮らしと健康セミナーはお休みさせていただきます。
 1月より再開いたします。

次回、1月16日(土)
テーマは「ロコモティブシンドローム」についてです。
筋肉や骨を作り、体を動かし、いつまでも錆びない体作りについてお話ししたいと思います。